【詩】人間人形

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僕は貧乏学生だった。

お金が尽きて、住む家を追い出され

かといって頼れる友人もいなければ

実家に帰る勇気もなかった。

朦朧とした意識でこの実を食べた。

クルミのような掌にのる実だ。

美味しそうだ口に入るから大丈夫だろうと思い食べた。

その場でバタと倒れた。

動けない。

金縛りにあったようだ。

そのうち巨大なカラスがやってきて

僕をくちばしで咥えた。

電信柱に飛び乗ったかと思えば

そこから急降下して地面に投げつけた。

カー、カーと鳴いて

まるで喜んだ子供のように笑っていた。

そうやって時が過ぎるのを忘れるくらい何度も遊んでいた。

黙っていた。

僕は人形だから。

何度も遊ばれるから

ぼろぼろになっていた。

お菓子の箱に付いてくる

掌サイズの人形だから。
ホラー
公開:21/05/18 22:00
#詩 #ポエム

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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