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悲しみを詰め込んだトランクを駅員へと渡す。
駅員はそれを青色の貨物列車へと運び込む。
「貴方の悲しみは雨となり、多くの人の助けとなる事でしょう」
駅員の言葉に納得できない私。悲しみの涙が運ぶものなんて悲しみでしかない。私の枯れる事のない涙の雨は豪雨となり多くの人を苦しめるだろう。
「それは受け取った方が決める事です。この悲しみの涙はもう貴方のものではありません」
駅員に背を向け、駅を出る。悲しみを失った私の心はぽっかりと穴が開いていた。
空いた穴を塞ごうと私は必死になった。仕事に、趣味に、夢中になれるものを探した。
気が付けば、失恋の悲しさで空いた穴は新しい恋によって埋められていた。
プロポーズを受けた時なんて嬉し涙が出そうになった。だが嬉し涙は流せなかった…
その時、ぽつりと雨が降る。空を見上げると晴天の中、青色の貨物列車が走っていた。
悲しみの涙が色を変え、私の元へと帰ってきた。
公開:21/05/15 21:07

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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