猿の恩返し

山の猿が昔は麓で人の物を取ったり、悪戯ばかりして迷惑をかけたが、今こそ恩返しをしたいと全猿山集会を開いた。
人に感謝される様な事を、皆さんと一緒に真剣に考えて行きたいと長老猿が呼び掛けた。

すると年配の猿から、麓の里も高齢化と過疎化が進み、スーパーもコンビニも無く年寄の人は買い物難民となってるから、我々が山で採った山菜や茸や木の実を無料で届け、配り歩いたらどうだろうかと言った。

若い猿からは、山の景色はとても綺麗だし、特に早朝の絶景を楽しんで頂いたらどうでしょうかと。すると、年寄が山頂まで登れないぞとチャチャを入れた。すると若猿は大丈夫、僕ら若者が麓から背負って登り下りしますからと言った。

早速実行に移され、麓の年寄とお猿さんの交流が始まり、皆生き生きとして喜び合っている。
このニュースは世界中に流れ「とても猿知恵とは思えない」「人間が忘れていた、真心を教わった」と称賛を浴びている。