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短距離走者がいた。
彼は世界記録を持っていた。
その記録が破られ、引退した。
彼は不世出の偉大な走者で、250年間、世界記録を保持した。
250年?
彼はクローン人間なのだ。
世界記録を打ち立てた人間は、現役を引退すると、すぐさま次のクローンに代替わりする。他の誰かに記録を破られるまで、記憶を残し、肉体だけを更新していくのだ。
だが今、彼はついに引退したのだ。
「私の記録はついに破られた。私自身、250年前に自分が出した記録を破ろうと努力したが最高でも同じタイムだったよ。
これで引退だ。私は今35才だけれど、この先の人生をゆっくり過ごすつもりだよ。ずっと30代で引退して体を交換していたから、ここからは未知の人生なんだ。40才になるのが楽しみだね」
彼はそう言い、新しいタイトルホルダーをの背中に微笑んで見送った。
彼は世界記録を持っていた。
その記録が破られ、引退した。
彼は不世出の偉大な走者で、250年間、世界記録を保持した。
250年?
彼はクローン人間なのだ。
世界記録を打ち立てた人間は、現役を引退すると、すぐさま次のクローンに代替わりする。他の誰かに記録を破られるまで、記憶を残し、肉体だけを更新していくのだ。
だが今、彼はついに引退したのだ。
「私の記録はついに破られた。私自身、250年前に自分が出した記録を破ろうと努力したが最高でも同じタイムだったよ。
これで引退だ。私は今35才だけれど、この先の人生をゆっくり過ごすつもりだよ。ずっと30代で引退して体を交換していたから、ここからは未知の人生なんだ。40才になるのが楽しみだね」
彼はそう言い、新しいタイトルホルダーをの背中に微笑んで見送った。
SF
公開:21/05/15 18:08
#ショートショート
#短編小説
#SF
#短距離走者
#クローン人間
#世界記録
読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。
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