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玄関の扉を開けるとそこには一匹の大きな蛇いて、鎌首を上げると私を威嚇する。
青大将だ。人に危害は加えないと聞いているがその眼はしっかりと私を捉えている。凄く怖い。
どうしよう…このままでは遅刻してしまう。しかし私は蛇に睨まれた蛙。動く事が出来ず、時間だけが過ぎていく。

やっとの事で青大将がどこかに行ってくれた。
急いで駅へと向かうも乗らなきゃいけない電車はすでに出ていた。遅刻確定だ…
肩を落とし会社へと電話する。
『君、大丈夫かね?』
上司は怒るどころか心配してきた。
『君がいつも乗っている電車、事故を起こしたそうじゃないか』
駅員さんが「事故の為、本日運休です!」と大声を上げる。私は上司に遅刻する旨を告げ、駅を出た。
その様子を一匹の蛇が見つめていた。青大将だ。
青大将は私の姿を確認するとどこかに行ってしまった。
ふと農家の父が「青大将はウチの守り神だ」とよく言っていた事を思い出した。
公開:21/05/16 20:24

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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