閃きグミ

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企画書の作成で残業しているの? 行き詰まったら息抜きしないとだめよ。
そうそう、アイデアが浮かばなくて困ったときは、閃きグミを食べるといいわ。
閃きグミは、見た目が甘草に似た「閃き草」という薬草を薬研で磨り潰した汁を、ゼラチンで固めた薬膳の一種なの。
閃き草は、「幻の薬草」と呼ばれていて、燕の巣と同じく断崖絶壁にしか生えない、非常に貴重な植物なの。
古代中国では、才色兼備の楊貴妃が美容と健康のため、亀ゼリーに閃き草の汁を混ぜて食べたそうよ。
通常は薬草のエキスが入っているから萌葱色や緑色をしているんだけれど、閃きグミが黄色く発光することがあって、そのときが一番効く、つまり閃く食べごろというわけ。
弾力があって即効性のあるハードと、ちょっとした物忘れで記憶を呼び覚ますときに食べるといいソフトの二種類の閃きグミがあるの。
今ちょうどハードの閃きグミが発光しているので、よかったら一粒どうぞ。
その他
公開:21/05/14 19:10
アイデア 閃き グミ 甘草 薬草 薬研 ゼラチン 薬膳 ハード ソフト

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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