Ⅲ.四章 ともだちトせんせい 1/3

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 場所は、弐っちゃんの部屋。
 室内には彼女の他に一組の男女がいるが、明らかにここの看守でも収容者でもなかった。
「その"セカイ"はね、おっきな屋根で守ってもらってるの」
「おっきな屋根?ドームみたいな?」
 と、女ーソルトが聞く。
「そう。それ」
「そんな大きなドームに住めるなら、みんな安心だね」
 と、男ージョナが言う。
「うん。みんな安心」
「いくら何でも"セカイ"よりデカイのドームはやり過ぎよ。もう少し小さいのをたくさん創ったら?」
「いろんな屋根を創っていいの?」
「そういう事になるわね」
「それも楽しそうだね」
「うん。楽しそう」
「でも、まだそこへ行こうって気にはなってないわね」
「まだ探したいの?」
「うん」
 二人に問われた弐っちゃんは、静かに頷いた。
「でも、探すのはもう終わったかも…」
「ほんとに?誰よ」
「もしかしてそれって…」
ー♪♪
「弐っちゃん。入っていい?」
SF
公開:21/05/13 20:52
SF 連載 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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