青の話

居酒屋の店主をしていると怖い話なんて自然に出来るようになるものさ。
少し前の話だ。客の一人が聞くだけで死ぬ話を呑兵衛共に聞かせていた。俺も片手間ではあるがその話を聞いていたよ。中々に面白い話で仕事中でなければしっかり聞き入っていたな。呑兵衛共も静かに客の話を固唾を飲んで聞き入っていたよ。
ガタンっ！それは突然起こった。呑兵衛の一人が倒れたんだ。さらに二人三人と次々に倒れていく。赤かった呑兵衛共の顔が真っ青だったよ。
「皆様、話に集中しすぎて息をする事を忘れたようです」
客はそう言うと酒を呑兵衛共に飲ましていく。
「店主、皆様にお酒を飲ませて下さい。酒を飲めば皆様この話は忘れ、赤ら顔で息を吹き返しますよ」
俺は急いで呑兵衛共に酒を飲ました。皆、なんとか赤ら顔で息を吹き返したよ。
いやはや…この世にあんな恐ろしい話があるとは思わなかった…
その話を聞きたい？途中まででよければ話してやるよ。