人間のトレンド

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25年連続で自動車事故がゼロ!
このような見出しが毎年新聞に現れるようになった。

2021年、ある日本の企業が新しい車を発表した。
車のボディ部分をいくらで覆った丸い車だ。

ボディがいくらなため、程よい弾力性がある。
この弾力性のため、いくら車がたとえ時速100キロで人間とぶつかっても人間は死ななくなった。

いくら車は爆発的に売れていき、次第にいくら車の特徴的な形状が注目されはじめた。

その結果、世界中で丸くて弾力のある形がトレンドになり、世界からどんどん角張ったものが消えていった。

最初は机や包丁といったすべての物の角が丸められていった。

1年も経たないうちに丸める物がなくなっていき、ついに魚や牛、豚といった生物まで遺伝子操作をしてまんまるな球体の見た目へと変化させられていった。
それはいくら車が発売されてからたった2年目のことだった。

もちろんそれは、人間も例外ではない。
ホラー
公開:21/05/12 12:56

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