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審門に立つ貴族は握っていた手を開くと、何かが床へと零れ落ち、甲高い音を立てた。それは主人が持っていたはずのタグだった。どうやら、それが主人が審門に投げつけたものの正体であり、貴族はそれを掴み取ったようだ。
「忘れ物だ。ペットも置き去りにしてるぞ」
そのペットは、バルコニーからホールへひらりと飛び降りると、そのまま貴族の下をすり抜け外へと出ていった。
「ご親切に」
「礼には及ばない。代わりにアレを返してもらえるか?」
「アレってのはコレか?」
貴族が懐から黄石の蜂を出してみせた。それを目にした審門の警備員が飛びかかるが、貴族は着ていた上着を投げつけ、素早く外へと飛び出た。主人とわたしも間髪入れず後を追う。
外へと出ると、広場の王像に乗っかる影を見た。
左右白と黒の非対称色の服。猫耳付きのフードから飛び出る蒼色のボサ髪。
猫怪盗プルシャン・ガットが、遂に我々新米探偵の前に現れた。
「忘れ物だ。ペットも置き去りにしてるぞ」
そのペットは、バルコニーからホールへひらりと飛び降りると、そのまま貴族の下をすり抜け外へと出ていった。
「ご親切に」
「礼には及ばない。代わりにアレを返してもらえるか?」
「アレってのはコレか?」
貴族が懐から黄石の蜂を出してみせた。それを目にした審門の警備員が飛びかかるが、貴族は着ていた上着を投げつけ、素早く外へと飛び出た。主人とわたしも間髪入れず後を追う。
外へと出ると、広場の王像に乗っかる影を見た。
左右白と黒の非対称色の服。猫耳付きのフードから飛び出る蒼色のボサ髪。
猫怪盗プルシャン・ガットが、遂に我々新米探偵の前に現れた。
ファンタジー
公開:21/05/10 21:59
連載
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探偵
怪盗
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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