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それは、耳を優しく撫でつけられるような声だった。
メインホール中に響き渡ったその鳴声の主は、2階バルコニーの中央にいた。手摺の上にちょこんと座るそれは、純白の体毛に所々闇の如き漆黒の毛並みが混じった猫だった。
メインホールの中心からその姿を見上げる私。それが蒼猫の相棒である怪盗猫"プラム"であることはすぐに分かった。
ー!!!!!
わたしとプラムの目が交錯した瞬間。けたたましい警報が鳴り響いた。これは、審門の警報だ。振り返ると、主人が審門の方に向け、まるで投球直後を思わせる姿勢を取っていた。何かを投げたのか?すると、この警報は主人の仕業か?
主人は姿勢を戻し-
「お前だ」
と、審門の方を指差した。それに突き動かされるように、来館者たちが道をあけてゆき、埋もれていた審門の様子が見て取れた。
そこでは、今まさに一人の貴族が門を抜けようとしていた。
「なぁ~らら~。バレちまったか」
メインホール中に響き渡ったその鳴声の主は、2階バルコニーの中央にいた。手摺の上にちょこんと座るそれは、純白の体毛に所々闇の如き漆黒の毛並みが混じった猫だった。
メインホールの中心からその姿を見上げる私。それが蒼猫の相棒である怪盗猫"プラム"であることはすぐに分かった。
ー!!!!!
わたしとプラムの目が交錯した瞬間。けたたましい警報が鳴り響いた。これは、審門の警報だ。振り返ると、主人が審門の方に向け、まるで投球直後を思わせる姿勢を取っていた。何かを投げたのか?すると、この警報は主人の仕業か?
主人は姿勢を戻し-
「お前だ」
と、審門の方を指差した。それに突き動かされるように、来館者たちが道をあけてゆき、埋もれていた審門の様子が見て取れた。
そこでは、今まさに一人の貴族が門を抜けようとしていた。
「なぁ~らら~。バレちまったか」
ファンタジー
公開:21/05/10 21:37
連載
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怪盗
探偵
犬
猫
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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