Ⅰ.053 ペルビエの攻防~断定~

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 それは、耳を優しく撫でつけられるような声だった。
 メインホール中に響き渡ったその鳴声の主は、2階バルコニーの中央にいた。手摺の上にちょこんと座るそれは、純白の体毛に所々闇の如き漆黒の毛並みが混じった猫だった。
 メインホールの中心からその姿を見上げる私。それが蒼猫の相棒である怪盗猫"プラム"であることはすぐに分かった。
ー!!!!!
 わたしとプラムの目が交錯した瞬間。けたたましい警報が鳴り響いた。これは、審門の警報だ。振り返ると、主人が審門の方に向け、まるで投球直後を思わせる姿勢を取っていた。何かを投げたのか?すると、この警報は主人の仕業か?
 主人は姿勢を戻し-
「お前だ」
 と、審門の方を指差した。それに突き動かされるように、来館者たちが道をあけてゆき、埋もれていた審門の様子が見て取れた。
 そこでは、今まさに一人の貴族が門を抜けようとしていた。
「なぁ~らら~。バレちまったか」
ファンタジー
公開:21/05/10 21:37
連載 ファンタジー 怪盗 探偵

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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