死者の学園祭

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深田恭子。絶世の美少女が目の前にいた。
昭和4年の竣工当時は、県内では千葉県庁に次ぐ大建築物であった、自宅近くにある「興風会館」で、映画「死者の学園祭」の撮影が行われたのは、2000年の4月。
特別な裏の手を使って、主演の深田恭子の楽屋に、息子を連れて潜入成功。
「まぁ!お父さんに似てなくて、かっわいいですねぇ。抱っこしてもいいですか?」と深キョン、大きな声で。当然、快諾。
手渡す際、否が応でも、私の手がその豊満な胸に強い力で触れる。そんな事おかまいなしに、微笑んで息子をあやす深田恭子。
目の前28cmで見た時、「世の中に、こんな綺麗な女性がいるんだ」と心底思った。
と、その時。風もないのにドアが開いた。表に出てみると、印半纏を纏った、痩せ細った鳶職と思われる初老の男が、こちらを睨んでいた。下に目を向けると脚がない。
そして、一瞬間を置き怒鳴った。
「うるせえぞ!試写会の最中じゃい!」
その他
公開:21/05/10 16:15
実話+フィクション 興風会館=こうふうかいかん 当時17歳の深田恭子 当の息子「記憶にございません」

渡辺 隆一( 千葉県野田市 )

千葉県野田市在住の、渡辺隆一です。
小学4年生の頃から、文章を書くのが
好きで、今も、趣味で書いています。
ショートショートが、好きです。

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