現代神話

ある日、男は風呂でのぼせてしまった。
意識が朦朧とする中、水の女神アクアーネの姿が見えた。
「大丈夫？ポカリ飲む？」
男は一口飲み込んだ。
ゴクン。
水分が体内にしみわたる。なんという美味さ。
「魂が蘇るような味です。女神様、ありがとうございます」
「水の恵みを讃えなさい」
「ポカリうま！」
「よろしい」
「女神様、是非とも私に何かお礼をさせてください」
「…ここだけの話、私、火の神アグニスに恋をしているの」
「なんと！」
「アグニスは火山の噴火口にいるの。彼に私のポカリを届けてくれないかしら」
男は風呂場で目を覚ました。
手元にはポカリスエットのペットボトルがあった。
なんと、これは！
男はそれを火山の噴火口へ持っていき、試しに投げ入れてみた。
ゴゴゴゴ…
プシューッ！
麓のほうから大きな音がしたので駆けつけてみると、なんと新しい温泉が湧いていた！
そこで男は温泉旅館を営むようになった。