時を越えて
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ある昼下がり、過去からきたという《若い自分》が目の前にいた。 にわかに信じがたかったが、目の前に同じ顔、同じ声、同じ体型(とは言い難く、腹が出ていない!)の、数年前の自分に言われたら信じるしかあるまい。
「数年後の性能はどれくらい良くなったのか、見てみたくてやってきました。こんなに良くなってるんですね」と、感激の面持ちでタイムマシンをためつすがめつしていた。
すると、ボタンを触ってもいないのにマシンが起動し始めた。
俺と《若い自分》は慌ててクローゼットに隠れる。
ブーンと音がして誰かが出てきた。よく見えなくて動いたら、ガタンと音を立ててしまった。
勢いよく自分が隠れてる方のクローゼットが開けられ、シワと白髪が増えた自分と対面した。視線を下げると、手にはナイフが握られていた。
彼は言った。
「タイムマシンなんて作ってはいけなかったんだ」
何故だと訊ねる前に、意識はなくなった。
「数年後の性能はどれくらい良くなったのか、見てみたくてやってきました。こんなに良くなってるんですね」と、感激の面持ちでタイムマシンをためつすがめつしていた。
すると、ボタンを触ってもいないのにマシンが起動し始めた。
俺と《若い自分》は慌ててクローゼットに隠れる。
ブーンと音がして誰かが出てきた。よく見えなくて動いたら、ガタンと音を立ててしまった。
勢いよく自分が隠れてる方のクローゼットが開けられ、シワと白髪が増えた自分と対面した。視線を下げると、手にはナイフが握られていた。
彼は言った。
「タイムマシンなんて作ってはいけなかったんだ」
何故だと訊ねる前に、意識はなくなった。
SF
公開:21/05/11 01:58
書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。
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