綿帽子

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山の峰が見える。
早春の残雪が山頂部に綿帽子を被っている。
鶯が春の訪れを告げ、桜が咲いている。
土手には土筆ん坊が伸び、節のまわりの袴を取って灰汁を抜き、卵とじにすれば旬の食べ頃だ。
タンポポの黄色い花と緑の葉と、まあるい白い綿帽子。
白い綿毛がどこへともなく飛んでゆく。
風に吹かれて旅立ってゆく。

私の大きな影の中に隠れたりして、影踏みして遊んだ娘の影法師も、大きくなったものだ。

和式の婚礼の儀。
挙式の花嫁は、
白無垢の綿帽子。

親の元から巣立ってゆく。
娘が旅立ってゆく。
その他
公開:21/05/09 20:51
更新:21/05/09 21:46
タンポポ たんぽぽ 綿帽子 花嫁 巣立ち 旅立ち 親子

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

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