お持ち帰り専門店

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「皆様、大変申し訳ございませんでした。主人もこのように深く深く反省しております。どうかどうかご容赦下さいませ」
(お下座)
「・・ありがとうございます。皆様の恩情に感謝いたします。それではあちらの部屋に品物をご用意させて頂きました。皆様、どうぞご自由にお持ち帰りくださいませ」

「それじゃ、私はこの傘を持って行くわ」
「僕はこの雑誌と新聞を持って帰るよ」
「おいどんはこのバスの停車看板を持って帰るでごわす」
「私は奪われた唇を返して貰うわ」

「皆様、重ね重ね申し訳ありません。主人の方もお酒はもう飲まない、酔っぱらって色んなものを自宅に持ち帰らないと言っております。どうかお許しくださいませ。・・・あっ、そちらの男性の方、ちょっと待っていただけますか。それは私の長財布でございます。勝手に人の家のタンスを開けて持って行かないで下さい」
「そんな事言われても俺は昔からお持ち帰り専門の稼業だから」
公開:21/05/08 16:57

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