マリーゴールド

「もしもさ、、、」

君はもしもの話が大好きだったね
もしも大人になったら
もしも海外に行けたら
もしも結婚して、子どもが産まれたら
もしもずっと一緒にいられたら

君はいつだって未来に希望を抱いていた
高校生の頃の僕達からすると、ずっと遠い未来の話　
僕は未来のことなんて考えていなかった
今、君といられることが幸せで、これからもそれがずっと続いていくものだと思っていたから

君が未来の話をする度、君の瞳は輝いていた
だけどその奥には儚さも宿っていた

あの時から君は、こうなることを知っていたのかもしれない
君が何故もしもの話ばかりするのか、君が何を考えていたのかも、僕は何も知らなかった

もしもは希望、希望の反対は絶望
君のもしもは、君の未来への絶望だったのかな
君が死んで１０年経った今でも、そんなことを考えている

もしもあの時、、、
少しでも気づいてあげてれば、君は教えてくれたかな