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私の体には生まれつき大きな青あざがある。
これを見た人は親の虐待を疑ったり、不気味がる。だから私はあざを隠して生きている。
体育の授業は理由を付けて全部休んだ。本当は体を動かす事が大好きだ。でも…この青あざがある限り私は参加できない…
「いいニオイがするぞ」
今日も体育を見学していると白衣を着た白髪の大きなおじさんに声を掛けられた。
「ああ、失礼。僕はこの小学校に赴任してきたカウンセラーだよ。悩み事があるなら何でも話してごらん」
私は少し考えておじさんに青あざを見せた。
「これはまた大きな青あざらしだね」
青あざらし?
「人の体の表面に住むあざらしさ。特に悪さはしないけど見た目が良くないんだよね」
おじさんは私の青あざに触れる。それをひょいと抓んでは口の中へと放り込んだ。私の体から青あざが消えた。
「ご馳走様。青あざらしは僕の大好物なんだ」
僕はホッキョクグマだからね。とおじさんは笑った。
公開:21/05/05 20:42

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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