リフォームして名誉の事故物件化(地獄編)

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お盆の釜のふたが開いた時、待ちかねた祖霊たちは一斉に帰省する。しかし数名の遅刻により、地獄の釜のふたゲートの管理がいい加減になりつつあった。事態を重く見た管理部の極卒一同は、会議の結果、一切の遅刻を認めないと決定した。
これに対抗し、地獄の霊たちは新入りの元・IT技術者を中心に強力な目覚まし時計を作成・設置することにした。

遅刻の常習犯たちは、壁の薄い地獄荘:A101棟に集められ、目覚まし時計の試験運用を開始した。
効果は絶大で、家屋全体が大地震並にぶるぶると震えた。
あっという間にみんな飛び起きた。これなら本番も大丈夫だろう。

さて今年もお盆の時期となり、地獄の釜のふたが開いたが、帰省ラッシュの中に件の遅刻組みはいなかった。

実は地獄荘は、前年の設備調査で改修工事の対象となり、建替えられていた。
帰省者ゼロ事件により、当物件は満場一致で名誉の事故物件に格上げされた。
その他
公開:21/05/05 19:15

渡"邉氏(わたなべし)( 東京都(地球) )

心象風景や、昨日見た夢、妄想などを物語りにして、脳内からアウトプットしたくて登録しました。
画像も自作です。

コメントは読んでおります。ありがとうございます。
(返信できていませんで、すみません。)

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