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病気の母に何か栄養のあるものを食べさせてあげたい。
幼い私は牧場に走ると「お願いします。チーズを売って下さい」となけなしのお金を差し出した。
お金を受け取った牧場主は私にチーズを押し付ける。でもそれはカビだらけでどう見ても食べられるようなものではなかった。
「何か文句でもあるのか?」と睨みつけてくる牧場主の圧に負け、私は涙を浮かべながらカビだらけのチーズを手に家へと戻った。
母はそんな私を見て、「ありがとう」と言うとカビだらけのチーズを口にする。
「やめて!そんなの食べたらお腹壊すよ!」と止めるも母は「本当に美味しいの。食べてみて」と私の口に入れてくる。癖はあるが本当に美味しかった。
これがのちにゴルゴンゾーラチーズと呼ばれる事を今の私は知らなかった。
そんなチーズのおかげか、母の具合も徐々に良くなってきた。
それはのちにペニシリンと呼ばれる抗生物質のおかげである事を今の私は知らなかった。
公開:21/05/06 20:38
どちらもアオカビ

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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