アンパン

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パンに小豆餡を詰めた「アンパン」は、日本独特の発明品で歴史も古く木村屋創業者の木村安兵衛氏が考案した。
同氏は明治2年に日本で初のパン屋を芝に開業し、後には銀座に移転した。
当時の欧風の堅焼きパンを、苦労し日本人の趣向に合わせ独自のパンを開発した。

私は幼少よりアンパンが大好きで、小遣いの5円玉か10円札(10円硬貨は当時まだ無かった)を貰うと、喜び勇んで買いに走った。昭和20-30年代はアンパンは一個10円位だった。

中学になると先生に見付からぬ様に、仲間と学校の裏塀を乗り越えて、近くにアンパンを買いに走ったのが昨日の様だ。
今もアンパンを食べると古き良き昔の光景が蘇り、友達と一緒に木造校舎の中を走り回った楽しい思い出と共にある。

今のパン屋さんの店頭には数知れぬ菓子パンが並び、時代は確実に変わっているが、あのアンパンだけは変わらない。
シンプルの中に思い出がずっしり詰まっている。
ファンタジー
公開:21/05/06 18:21

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