鯉のぼりの滝登り

僕の周りは皆大きくて立派なこいのぼりを屋根の上にいきようようとあげているのに、うちはざっしの付録についてきそうな小さなこいのぼり。
それでもママが一生懸命作ってくれたこいのぼり。
それをまわりのみんなに馬鹿にされ、くやしくて家に閉じこもっていた。

外を見るといつの間にかくもゆきが怪しくなった。これはひと雨降るかな。とおもうまもなく
まるでバケツをひっくり返したかのような雨が降り出したんだ。

まずい、こいのぼりが破けちゃう！　慌てて外にでると、なんとこいのぼりが糸をかみ切って滝のような雨を登っていったんだ！
そしてみるみるうちに姿を変えて最後には立派な竜になって空高く昇って行った。

驚きながら、ママに今起こったことを話すと。「こいの滝登りよ。これからいいことが起こるわ」といって笑っていた。
うちに幸運が舞い込むようになったのはそれからさ、今じゃパパは社長として年に数億稼いでるんだって。