鯉のぼり

　鯉のぼりは　眺めていた　二人の事を

「萌。大好きだから、結婚しよう」
「私も隆太が大好きよ。でもできないの」
「何でだよ。両想いじゃんよ」
「両想いとか、そう言う問題じゃないの」
「じゃ、何の問題なんだよ？」
「法律の問題」
「ホ・ウ・リ・ツって、何だよ？」
「私達、まだ小学校の4年生でしょ？」
「じゃ、何年生になれば、結婚できる？」
「男は満18歳。女は満16歳」
「・・・」
「二人は同い年だから、満18歳」
「そんなに、待てないよ」
「しょうがないよ。国の決まりだから」
「んじゃ、何か約束してよ」
「わかったよ。目つぶって」
「何だよ、かくれんぼでもあるまいし」
「いいから、いいから」
　　　　　　　　☆
「何か、おでこ、あったかかった」
「結婚の約束の『チュウ』だよ」
「大変だ！赤ちゃんできちゃう！」
「できないよ。赤ちゃんはねぇ・・・」

　鯉のぼりを　眺めていた　二人の恋は