ミケとチイ

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僕のお姉ちゃんが生まれる前から、家で飼われていた猫のミケとセキセイインコのチイ。
ミケとチイは平均寿命を過ぎていたけど、元気なお婆ちゃん同士とても仲が良い。
ミケがチイを背中に乗せて散歩したり、じゃれ合ったり、寄り添って昼寝をしたり、楽しそうにお喋りしたり。
でも僕が中学生の頃、ミケもチイも行動範囲が狭くなり、あまり動かなくなっていた。
この日縁側でミケとチイは、何やらお喋りをしながら日向ぼこをしていた。
その数日後、ミケの背中にチイが乗り、珍しくよろよろと散歩に出掛けて行った。
そして行った切り、帰って来なかった。
父さんも母さんも、ミケとチイを探そうとはしなかった。
僕がどうして?と聞くと、動物は死期を自ら感じ取って、死に場所を探す旅に出るんだよ……と父さんが言った。
その他
公開:21/05/03 13:22

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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