ダイイングメッセージ

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「これ、血文字?」
柚希がソファーの横で倒れている男を指差した。隠れるようにしていた陽菜(ひな)が恐る恐る男を見る。
「う、うん。『て』か、『ひ』か。何を書こうとしたんだろう」
男の指先にはべっとりと血がこびりつき、ソファーの側面に文字のようなものが残っていた。
「警察呼ばないと」
「待って、陽菜。この男、知ってるんじゃないの? ここ、あんたの別荘じゃない」
「し、知らないわよ。私のじゃなくて、叔母のだし。あっ」
「何よ?」
「叔母さん、照美(てるみ)って言うんだけど、まさかね」
二人は思わず血文字を見た。
「叔母さんと警察に電話する。もう、電波弱い」
一人残された柚希はそっと男の胸ポケットから携帯電話を取り出し履歴を消した。あの血文字が英文字の『Y』の書きかけだなんて思わないだろう。それも筆記体でなど。
「三股は無いよね」
声に驚いて振り向くと陽菜がナイフを振り上げた。
ミステリー・推理
公開:21/05/03 22:23
筆記体 通じるだろうか ダイイングメッセージ 血文字

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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