024.霊峰

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「誰か通ります」
「参人?待人?」
「待人よ。祈念を」
 東大陸国の中心である練島には、白渓と呼ばれる霊峰がある。
 "生"を終えた者が、創作者の元へ滴下する前に立ち寄る場所とされ、そこへ繋がる道"霊道"には、社や鳥居が建てられるようになった。
 末端にある最初の鳥居は"境界門"と呼ばれ、そこからは参人と呼ばれる者しか通行が許されない。
 鳥居の上で祈りを捧げる三人は、守人の役を担っている。最近になって、境界を踏みにじる侵入者が増えてきていた。
「今日は平和だね。でも、何で知られちゃっただろう?」
「妖だろうと所詮はヒト。誰かが口を滑らせることもあるわ」
「ええ。一度漏れ出たものは戻らないわ」
 噂が広まっていた。
 白渓は立ち寄る場所ではなく、本来よりも早く死んだ者が、残りの寿命を過ごすために訪れる場所であると。
 死者と会えるかも。という純粋な希望が、霊峰への道を汚す結果となっていた。
ファンタジー
公開:21/05/03 21:59
神社 鳥居 巫女 ファンタジー

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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