森林になる香り
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「誰かいますかぁ〜」
緊急事態宣言が出た日に、気分転換にと「森林になる香り」のルームスプレーを買ったその夜、さっそくスプレーをワンプッシュして目を閉じた。
ホウホウと梟の声で目が覚めて、周りを見渡すと月が光る森が広がっていた。夢か?
現実か?混乱していたらヒラリと降ってきた梟の羽根をつかんだ途端に目の前が真っ暗になった。
スマホのアラームで起きると手の中には羽根があり、あれは夢ではないと確信した。
クローゼットの奥にあった非常食が詰まった防災リュックとカセットコンロを抱えルームスプレーを振りまくった。
次の瞬間、新緑の香りがむんむんと広がる森の中に立ちすくんでいた。
ここぞとばかりに、自然を満喫したが森の香りは消えない。気づかないうちにスプレーの瓶が割れ、どんどん森が広がっていった。
欠勤がつづき会社から警察に連絡が行き、家の鍵を開けたが、森の香りがするだけで、誰もいなかった。
緊急事態宣言が出た日に、気分転換にと「森林になる香り」のルームスプレーを買ったその夜、さっそくスプレーをワンプッシュして目を閉じた。
ホウホウと梟の声で目が覚めて、周りを見渡すと月が光る森が広がっていた。夢か?
現実か?混乱していたらヒラリと降ってきた梟の羽根をつかんだ途端に目の前が真っ暗になった。
スマホのアラームで起きると手の中には羽根があり、あれは夢ではないと確信した。
クローゼットの奥にあった非常食が詰まった防災リュックとカセットコンロを抱えルームスプレーを振りまくった。
次の瞬間、新緑の香りがむんむんと広がる森の中に立ちすくんでいた。
ここぞとばかりに、自然を満喫したが森の香りは消えない。気づかないうちにスプレーの瓶が割れ、どんどん森が広がっていった。
欠勤がつづき会社から警察に連絡が行き、家の鍵を開けたが、森の香りがするだけで、誰もいなかった。
ファンタジー
公開:21/05/03 20:22
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