西園寺くんの大切なもの

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須永くんが部活の友達との帰り道。
 
西園寺くんが庇うような体制をしている。その後ろには、同じクラスの井野さん。 正面で、今にも西園寺くんに殴りかかろうとしている男子は、あまり評判の良くない先輩だった。明らかに絡まれていると感じた須永くんは、急いで近寄った。 けれど須永くんを見た先輩は、慌てて逃げて行ってしまった。
 
「大丈夫か? まったく…女の子が困ってるからって見境なく飛び込んでいくのはよせっていつも言ってるだろ」
「僕に告白する可能性のある子が困ってるのは、モテる男として見過ごせないからね」
そう言って、西園寺くんはスタスタと行ってしまった。

やれやれ…と、須永くんがため息をつく。
「違うの」井野さんはちょっと笑って言った。
「先輩がね『金魚のフンは今日はいねーのか』って言ったの。そしたら急に西園寺くんが怒っちゃって、凄く恐い顔で先輩を睨んでて。あんな恐い西園寺くん初めて見たよ」
公開:21/05/03 17:10

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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