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「兄貴、その傷跡は?」

俺は額の傷跡を撫でながら…答えた。

「30年前の、あの抗争事件のとき……3人の男がナイフを手に、組長を襲って来たんだ。
俺は咄嗟的に長ドスを抜き、一人目の男の首を一気に切り落した。
すぐさま、もう一人の男のこめかみに蹴りを入れ、ふらつくところを肋骨ごと心臓を切り裂く。
一瞬のすきをついて、3人目の男が俺の顔にナイフを切り付けた、俺の額から血が吹き出す。と同時に俺は男の金的を蹴り上げていた。そして、男の肩から脇腹ヘ長ドスを振り落とした!……その時の傷ってわけさ」

「クッ〜しびれる!」

嘘だった…本当は俺が赤ん坊のとき、はいはいをし始めた頃だ。
長い廊下を、嬉しくて楽しくて、凄い勢いではいはいをしていたんだ。
その勢いは止まらず、廊下から縁側ヘ、そして庭に顔から落ちてしまった。
その時に出来たのが、このおデコの傷だった。
その他
公開:21/05/03 16:56

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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