最果てアーケード

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東の端にポツンとアーケードがたっているところがある。端も端、周りには誰もいない。そんなアーケードでは時折、不思議なことが起こるという。
 「うわっ、降ってきた。」営業でアーケードのある町に来たAは、突然の雨に降られ、雨宿りの場所を探して走るうち、このアーケードへたどり着いた。アーチ型で天井が高く、ザーッという雨音とポツポツっという雨がはじく音がする以外は静かだった。が、次の瞬間、どこにあったのか複数の店が開いた商店街が現れていた。「えっ。」どこか懐かしく、穏やかな雰囲気の通りを歩くと、ある男性が「お忘れ物ですよ。」っと駅で忘れた書類を手渡してくれた。「よかった、失くしたと思っていたんです。届けてくれてありがとうございます。」お礼を言って顔を上げると、目の前の男性が傘に変わっていた。浮いた傘を手に取ると、商店街は消えて、左手に傘、右手には先ほどの書類があった。
ファンタジー
公開:21/05/03 16:00

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