宮大工

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宮大工は、神社仏閣等の伝統的な木造建築を手掛け新築や改修、重要文化財等の解体・補修にも携わる。
木材に仕口や継ぎ手の加工をし、釘や金具を用いず木組み工法で、何百年もの歴史的建物の維持伝承をしている。

複雑な曲線の屋根、柱、梁に必要な特殊技術の難易度は高く、この技術習得には棟梁のもと何十年に及び修行を積み重ねる。一生を通し己を磨く事を怠らず日々精進を続ける事こそが、宮大工としての大きな誇りと喜びだ。

今回は棟梁としての初仕事として、由緒ある寺院の150年振りの解体補修を任される栄を得た。
解体途中で前回の補修宮大工名の棟札が出てきた。後日それを調べたら、何と私の5代前のご先祖の名前であった。
私は大学の建築科で近代建築学を学んでいたが、しっくりせず宮大工の棟梁に弟子入りし長年修行を続けて来た。

先祖の導きのお陰か、同じ寺院の補修に携わり、同じく棟札を残す事が出来たのは不思議なご縁だ。
ファンタジー
公開:21/05/01 17:42
更新:21/05/01 19:41

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