消火器官

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『ショウカキカンよ』
「消化器官?」
『そうじゃなくて、消火器官!』
「え?」
妻の第三の目が開いた。そう思った俺は慌てて妻を問い詰め今に至る。
妻によると、石鎚山の登山中に宙に浮く不思議な老人と出会ったらしい。皮膚は酒に酔ったように赤く、顔つきはどことなく天狗っぽかったという。
『その老人は誰にでも潜在器官があるっていうの』
その老人はその潜在器官とやらを開放させることが出来るというらしい。そして彼女の潜在器官である消火器官を開放したらしい。
『この器官便利なのよ。この間天ぷらを作っているときに火事になりかけたんだけれどこれで抑えられたの』
聞けば聞くほどなんだか羨ましくなってきた。
「俺も潜在器官を開放したい」
妻はちゃっかりとその方法を伝授してもらってきたらしく、開放してくれた。変化は見られなかった。
後日、人間ドックで知ったのだが消化器官が開放されたらしい。
胃が2つに増えていた。
ファンタジー
公開:21/05/02 17:39

かさ( 愛媛 )

しばらくお休みいたします。

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