通行止め

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いつも通っている道が工事中で狭くなっていた。
「少しお待ち下さい」
警備員が私を止めた。
対向側の通行人を先に誘導しているようだ。
私は道の手前で足を止めて、その人が通り過ぎるのを待った。
「…もう少しお待ち下さい」
どうやらその後ろからさらに自転車も来ているようだ。
自転車がすっと通り抜けた。
「…今しばしお待ち下さいね」
ベビーカーが来ているようだ。
仕方がない、待つか。
ベビーカーもようやく抜けた。
「もういい?」
「…お待ち下さい!」
ぐっと堪えて待っていると、女子高生と小学生が数人、それに犬の散歩をしているお爺さんが私の前を通り過ぎていった。
「もういいですか?」
警備員は私の顔を凝視する。
「もう我慢できませんか?」
「まあ、その、はい。そろそろ私も我慢の限界かもしれないです」
すると警備員はほっこりと笑顔になった。
「じゃあ、お通り下さい」
「じゃあ、ってなんだよ!!」
その他
公開:21/05/02 09:56

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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