セブン

ノミオがテレビをつけると、懐かしやウルトラセブンの再放送が始まった。
「一部不適切と思われる表現がありますが、作品のオリジナリティを尊重し、そのままで放送します。」、冒頭こんな案内文が映し出されたのを見て、ノミオは思った。一部不適切な表現があるのか。

見終わったノミオは思った。どこに不適切な表現があったのか、全くわからなかった。いや寧ろ日本語を流暢に話していた宇宙人に感心したほどだ。
そして思った。宇宙人があんなに流暢に日本語を話すなら、地球防衛軍と話し合えばよかったのではないかと。そして思った。地球防衛軍と言っても、日本人だらけのたった５，６人じゃないか。
そして最後にこう思った。
一部不適切と思われる表現とは、ウルトラセブンのアイスラッガーで宇宙怪獣の首を掻っ切った、正義の味方と思われている彼自身の暴力行為にあるのではないかと。
でも、それを言っちゃ、おしまいよ。彼はテレビを消した。