地球儀の住人
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「また戦争しているよ、世界に平和よ」
地球儀を指で突く。突いた所は赤く染まり、土埃が舞っている。
「突くなって、ほら、みんな死んじゃって建物もバラバラだ」
「悪には正義の鉄槌がくだるのだよ、正義で均された大地には新しい命が芽吹く」
エス氏は誇らしげに語りながら世界地図をハサミで切り取っている。
「今日で張替えも三回目だ
もっと違うストレス発散方法を探したほうが精神衛生上良いと思うね、それにお前の言う正義の鉄槌が下りそうだ」
エス氏は鼻で笑って地球儀を見た。
「こいつ等が平和に暮らせているのは俺らのお陰だろう?悪い理由がないね」
家鳴りがするなと天井を見上げた途端、大きな音に飲み込まれた。
重い頭を持ち上げると辺り一帯は瓦礫の山と化していた。身体はどうなっているのだろう。心臓がゆっくりと鼓動し、体の輪郭はぼやけ、生暖かさが全身を包む。遠くで声が聞こえた。
「おい、だから指で突くなって。」
地球儀を指で突く。突いた所は赤く染まり、土埃が舞っている。
「突くなって、ほら、みんな死んじゃって建物もバラバラだ」
「悪には正義の鉄槌がくだるのだよ、正義で均された大地には新しい命が芽吹く」
エス氏は誇らしげに語りながら世界地図をハサミで切り取っている。
「今日で張替えも三回目だ
もっと違うストレス発散方法を探したほうが精神衛生上良いと思うね、それにお前の言う正義の鉄槌が下りそうだ」
エス氏は鼻で笑って地球儀を見た。
「こいつ等が平和に暮らせているのは俺らのお陰だろう?悪い理由がないね」
家鳴りがするなと天井を見上げた途端、大きな音に飲み込まれた。
重い頭を持ち上げると辺り一帯は瓦礫の山と化していた。身体はどうなっているのだろう。心臓がゆっくりと鼓動し、体の輪郭はぼやけ、生暖かさが全身を包む。遠くで声が聞こえた。
「おい、だから指で突くなって。」
SF
公開:21/04/30 07:53
読書量も文章力も想像力もまだまだですが、ちょっとずつ投稿していきます。
コメントいただけると嬉しいです。
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