おっさんと横断歩道と
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朝、通勤通学で忙しなく行き交う人々の往来。俺はスーツに身を纏い一体何に怯え、こんなにも殺伐とした都会の朝をむかえているのか。急ぐことで頭の中は一杯だ。駅へつづく横断歩道。信号機は赤。早く青になれ。青になったらダッシュだ。俺の隣にいるこのつま先をトントンしてるおっさん。今俺の顔をのぞき込んで微笑んだぞ。何なんだ?信号が青に変わり俺はスタートした。おっさんも並走してくる。と、おっさんが俺より前に出た。そんなもんか若いの!来いよ!と俺を挑発しているかのようだ。俺も負けじと腕を振り地面を蹴る足にさらに力を込めるが、おっさんに追いつけない。クソっ!この俺があんなおっさんに負ける。横断歩道を渡り切り俺はおっさんを睨みつけてしまった。何とも後味の悪い朝だ。おっさんは去ってゆく。横断歩道がピアノに見えた。明日はランニングウェアとスニーカーでリベンジするか。いや。時間と心に余裕をもって出かけることにしよう♪
その他
公開:21/04/29 23:26
更新:21/05/09 21:27
更新:21/05/09 21:27
横断歩道
おっさん
不思議
信号
ピアノ
朝
日常
はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
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