憧れる父の仕事

0
4

窓の外を眺める。風景が物凄いスピードで流れていく。
「危ないから窓開けるんじゃないぞ」
「分かってるよ」と答え、飽きる事なく窓の外を眺め続けた。
僕は今、父の運転するランボルギーニに乗っている。目的地はない。車を走らせる事が目的なんだ。
だから車は同じ場所を何度も何度も走る。ゴシゴシと音を立て、真っ白なタイヤを削りながら道路を走り続ける。
「こんなものか」
父はサービスエリアに車を停めると会社に連絡した。すぐに清掃車がやってくるだろう。
「どうだ?父ちゃんの仕事、面白いだろう?」
僕は頷いた。
父は消しゴムスーパーカーのドライバーをやっている。この車は消しゴムタイヤで走った道を綺麗にしていく。
道路を見ればあちこちに道路の汚れを取った消しカスが散らばっていた。あれを回収すれば道路清掃は完了だ。
僕らはその消しカスを一足先に集める。そして、真っ黒に汚れたそれをタイヤの形に整え、帰路についた。
公開:21/04/29 21:07
スーパーカー消しゴムと言えば ランボルギーニ 昔集めていた 昭和の日らしく昭和っぽい話

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容