ラメラ膜整形

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21世紀中頃、人工皮膚が爆発的に普及した。最初はアンドロイド用だった。ヒトの皮膚は表皮、真皮、皮下組織で、表皮の角質層の細胞間脂質はラメラ構造であるが、これに酷似した高分子膜がアンドロイドの皮膚に使われた。ある技術者がこれをヒトの皮膚に適用することを思いついたのである。表皮層の角質層を薄く剥がしてラメラ膜を貼り付ける。表皮細胞と馴染む優れたゲル材料も完成した。ヒトの皮下組織とは相性が良く自然に見えて伸縮もする。いつまでも老化しない表皮である。整形外科で顔や身体の皮膚をラメラ膜人工皮膚とする手術は簡単でみるみるうちに浸透した。
ラメラ膜はきれいな色で感触も多種多様。皮膚はファッションの一つとなり、誰もがいつまでも若々しい顔と身体。年齢を顔や外見で判断することは意味がなくなり加齢概念も変わっていった。人の顔と身体はいつまでも歳を取らなくなり、今では誰もが若い肌のままで死に至るのである。
その他
公開:21/04/28 16:38

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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