DDT散布

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戦後暫くは蚤、蝨、蝿、蚊等を媒介とする、伝染病蔓延の恐れがあった。 従い学校では、講堂や教室に生徒達を集め頭からDDTが撒布された。
室内は瞬く間に白い粉が充満し、皆は息苦しかった。

当時の衛生状態は非常に悪く、防疫対策として占領軍の指示もあった様だ。
その御蔭で伝染病の大流行は防げ、貢献大とも言えるが、この光景は敗戦の屈辱感と共に、記憶から消える事は無い。

DDTは有機塩素系の殺虫剤で、39年にスイスの化学者パウル・ヘルマン・ミュラーが発見し、その功績により48年には
ノーベル生理学・医学賞を受賞している。

しかし60年代には人体に対する有毒の物質が含まれ危険である事が判明し、70年には使用禁止となった。
でももう遅い、私は小学校で仲間と共に全校生徒全員が幾度も噴霧されている。

そのせいで俺の頭は禿たのだと言ってたら、家人から今さら何を言ってるの、勝手に禿たくせにと一喝があった。
その他
公開:21/04/28 05:59

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