死体は海に浮かぶ

ある夏の日、客で賑わう海水浴場にどよめきが走った。海に死体が浮かんでいたためである。

死因は溺死…ではなく、銃だった。
側頭部から血が流れており、肺には水が入っていないことから、即死だったようだ。

最初に死体を発見した男はこう言った。「浅瀬で遊ぶのに飽きたから沖の方まで泳いでたんだよ。途中でゴミにぶつかったと思ったら、銃だったんだ。ビビったよ。死体を発見したのはその直後だった。」

続けて男の友人はこう語る。「こいつ、だいぶ遠くまで泳いでいったと思ったらすぐ帰ってきてさ。最初は遠くまで行きすぎてビビって帰ってきたのかと思ったが、まさか死体があるとはな。」

ライフセーバーは、「朝から事故も起こらず平和だなーと思ってたらこれです。やんなっちゃいますよもう。」と愚痴を漏らす。

警察はほとんど自殺の線で考えていたが、1人の刑事はこう言った。

「嘘はもっとバレないようにつくもんだぞ」