朝の食卓

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寝ぐせがついたままのノミオは、炊飯器からご飯をよそり、冷蔵庫から冷たい卵を取り出した。
そして、こじんまりとした、岡部まりをも匂わせる、その小さなかわいらしい食卓に腰かけた。

つけたテレビのワイドショーでは、「今が旬、農家さんのとれたて野菜」をリポートしている。
「整いました。完熟トマトとかけまして、えー、
プールサイドを歩くハイレグ女性とときます。
その心は、甘味(ガン見)が命です。」
テレビからは容赦ない「なぞかけ」が聞こえてきた。

ノミオはくだらないと思った。
面白くなければテレビじゃない。
あるテレビ局のかつてのあの高飛車なキャッチフレーズを連想した。

”「温かいご飯に醤油」とかけまして、「新鮮な卵」ととく、”

ノミオは、黄色いご飯の上に数滴、醤油を垂らしたかと思うと、一気にご飯をかき喰らった。
”その心は…”、
ノミオは心で叫んだ。
”やっぱりうめぇ、卵掛けご飯、最高!”
青春
公開:21/04/29 05:55

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