Ⅲ.参章 使者ノ集い 2/3

0
2

「少女が?では、所長が言っていた事は…」
「事実
ですよ。ネズミとコウモリの侵入が引き金になるのも事実のようです」
「あくまで精神面での話だけどね。俺たちじゃなきゃ姿は見えないし、あの子たちがやる事は、現実ではあいつがやってるから」
 先程の事を思い出すスパイス。
「脱走を図ってたように見えました。今回が初めてではないようですね」
「何度もやっては捕まり、隔離されるの繰り返しで」
「所長にも目を付けられてるから、何かあったらすぐ捕えろって言われちゃっててさ」
「迂闊に近づくこともできないということですか。でも、ここから出ようしている事は、彼にまだ自由と終末への意思が遺ってる証拠ですね」
「だといいのですが、そこも何か微妙で…」
 渋い表情で返すバジル。
「どういう事?」
「少女の様子から見ても、彼には確かに自由への意思はありそうなんですが…」
「それとは、逆の気持ちも持ち合わせてるみたい」
SF
公開:21/04/29 01:39
連載 SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容