022.双子

0
3

 世界が終わる。
 残ったのは、僕と君だけ。
 こんな事、大学の入り口で君と出会った時は想像もできなかった。
 災害か隕石か、宇宙人か。
 何も分からないままに、世界はあっという間に滅びていった。
 その中を、僕と君は生き延びた。
 奇跡と思うほど、いつも君が導いて助けてくれた。
 まるで君だけは、何が世界を襲ってるのか分かってたみたいに。
 聞くことができないまま、世界は滅びきってしまった。
 もう逃げるところも、隠れるところもなくなった。
『お姉ちゃん』
 そこに現れたのは、君と同じ顔をした"何か"だった。
「遂に見つかったか」
『サボりもいい加減にして。交代時間からやりなおしてね』
「分かった。じゃあね。とても楽しかったわ」
 そして、君は…いや、君ら以外の全てが消えた。

 入学式の日。
 僕は大学の入り口を通る。
 何かが欠けているような気がしたが、僕はそれが何か分からなかった。
青春
公開:21/04/25 21:16
恋愛 世界 終末

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容