だから言ったのに

両親に交際を反対された親友カップルが駆け落ちを決意した。
必死に止める私の言葉に耳を貸さず、二人は旅に出て…連れ戻された。
「だから言ったのに…」
引き離された二人は結ばれないのならと別々の場所で自殺した。両親は悔やんだ。こんな事になるのなら二人の交際を認めてやれば良かったと…
それを聞いて私は時を戻す魔法を使った。
その思いがあるのなら今度は失敗しないはず。

過去に戻った私は二人に訪れる悲惨な未来を告げた。
二人は激怒し、私に絶縁を告げた。
そしてそんな未来が訪れないよう両親を説得し続け、ついには結婚へと至った。
結婚式に私は呼ばれていない。当然だ。私は二人に嫌われている。
いつもこうだ。最悪な未来を変えようとすると最悪が私へと降りかかる。
時間を戻す度に私は一人ぼっちになる。
「だから言ったのに…」
心の中のもう一人の私がそう呟いた。
涙を流せない私の代わりに心の中で泣いてくれた。