誰かとだれか

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占い師から、あなたは、今のままでは
幸せを手にできないと、言われた。
このまま何も手に出来ないまま
枯れるくらいなら、私の助言を聞きなさいと
上から目線で言われた。
占いを信じない私は、このまま幸せをを
手にできないまま枯れるのかと
ぼんやり思った。
そもそも友人の付き添いできて
占ってもらい、理不尽過ぎる。
隣に座ってニコニコ話を聞いていた友人は、
私の占い結果に、みるみる顔が曇っていった。
私の手を取って、占い師さんの言うこと
ちゃんと聞いたほうがいいと真顔で言う。
信じてもいない人のことを、なぜ私が
聞かなきゃならんと、怒鳴りたかったが、
友人のあまりの気迫に押され頷いた。
占い師は満足そうに頷いて、こちらに何か
差し出した。
見ると、占い師の手に数珠が置かれていた。
その瞬間、弾かれたように立ち上がり、
その場を去る。
背後から声がするが、振り返らない。
誰かと誰かが叫んでいる。
その他
公開:21/04/27 12:05

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