Ⅰ.050 ペルビエの攻防~突貫~

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 館を震わす爆音に来館者はざわつくも、すぐに盗縛劇と気付き、不安と恐怖は期待と高揚へとすり変わった。
「どこからだ!?」
「デニさんはフロアへ!警備は持ち場を維持!」
「わん」
 それだけ指示して、わたしと主人は通路に入った。向かって左側は従業員のオフィスやロッカー。右手には展示品の保管庫が並んでいる。
 精査してる余裕はないので、最も新しい痕跡が残る部屋を主人に示した。匂いは獣亜種に近いが人工的な造形がみえる。鼻が利く者を撹乱させるための偽装だ。
「わん」
 この保管庫に間違いない。
「真下の部屋か」
 主人は、警戒しながらドアを開けるが、細工はされていなかった。室内には粉塵と火薬の匂いが漂っている。灯りが消えた中、スポットライトのように光がさす場所があった。
 それは照明ではなく、天井の穴から漏れる展示フロアの光だった。それに照らされるように、御宝を収納したケースがそこにあった。
ファンタジー
公開:21/04/27 08:07
連載 ファンタジー 怪盗 探偵

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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