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「今のは何だ?」
「わん」
主人とわたしは警備に詰め寄った。
「え?」
「今の、俺を見て言ってたろ。何でだ?」
「いや、何でと言われましても…」
言いながら、背後の通路をちらりと見やる。
「誰か通したのか?」
「おい。本当か?」
追い付いてきたデニさんも彼に詰め寄る。
「は、はい。つい先程」
「何してんだ!俺か探偵が付いていない場合は、誰も通すなと言ったろ」
緊急の場合は、必ず屋内用無線で連絡を取る手筈になっていたはずだ。今日それはひとつも来ていない。
「誰を通したんだ?」
「いや、誰と言われましても…」
どうも要領を得ていない。自分が通した者を一切疑ってないような。
つまり、それは…。
「俺か?」
「何?」
「ここを通ったのは俺か?」
「は、はい。おひとりだけでしたが」
「わん!」
主人!
ー!!!
鈍い爆音が響き、美術館が揺れた。
盗縛劇の開演が、館内中に知らされた。
「わん」
主人とわたしは警備に詰め寄った。
「え?」
「今の、俺を見て言ってたろ。何でだ?」
「いや、何でと言われましても…」
言いながら、背後の通路をちらりと見やる。
「誰か通したのか?」
「おい。本当か?」
追い付いてきたデニさんも彼に詰め寄る。
「は、はい。つい先程」
「何してんだ!俺か探偵が付いていない場合は、誰も通すなと言ったろ」
緊急の場合は、必ず屋内用無線で連絡を取る手筈になっていたはずだ。今日それはひとつも来ていない。
「誰を通したんだ?」
「いや、誰と言われましても…」
どうも要領を得ていない。自分が通した者を一切疑ってないような。
つまり、それは…。
「俺か?」
「何?」
「ここを通ったのは俺か?」
「は、はい。おひとりだけでしたが」
「わん!」
主人!
ー!!!
鈍い爆音が響き、美術館が揺れた。
盗縛劇の開演が、館内中に知らされた。
ファンタジー
公開:21/04/27 07:50
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連載
怪盗
探偵
犬
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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