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結婚まで考えていた彼女にフラれた。心にぽっかりと穴が空いてしまったようだ…何をするにもやる気が起きない…
そんな僕を友人は励ましてくれた。僕を笑わせる為にここ最近の失敗談を面白おかしく語ってくれた。
「いやもう、本当に穴があったら入りたいよ」
そう話す友人に僕は胸襟を開いた。
「僕の心の穴ならいつでも入ってくれて構わないよ」
「じゃ、遠慮なく…」
それは比喩のつもりだった。だが友人は本当に僕の胸の穴に入り込んでしまった。
寂しさや悲しさが、少しだけ埋まる。
「君の心の穴、思った以上に深く広かったよ」
僕の胸から出てきた友人が教えてくれた。そうなのか…

しばらくして僕の元に警察が訪れた。彼女が行方不明になったらしい。必死に捜索しているも見つからないんだと。
そんな話を僕は他人事のように聞いていた。
そう言えば、もうそろそろ彼女を僕の心の穴に突き落として、心の鍵を掛けてから1カ月経つなぁ…
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公開:21/04/23 21:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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