フリップフロップ

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地下鉄の駅構内でスキンヘッドの清掃員と清掃ロボットが通路を清掃する。平日の昼下がり、ロボットが床面壁面のゴミを取り、濡れたモップで拭き、清掃員はときおり塾通いの小学生に濡れた床面を注意する。
十台ほどの電車がホームを通過するあいだに彼らは清掃を終えて控え室に入った。清掃員は腰を下ろすと飲料ボトルを飲む。ロボットは充電アダプタ端子を入れる。
「仕事が終わった」スキンヘッドが言うと清掃ロボットは「後は充電するだけ。君は家に帰って食べて寝るだけ」
今やすべての労働はロボットが行い人は不要である。しかし何もしないのは精神的苦痛だと労働党が主張してロボット一台につき指導員一人となった。指導員とは名ばかりで実態はぶらぶらするだけだが、ロボットと人はセットで活動する。
飲み干すと清掃員は帰り支度。「お疲れ様、フリップ」とロボットが声をかけ、スキンヘッドは「また明日、フロップ」とドアを閉めて控え室を出た。
その他
公開:21/04/23 10:53
フリップフロップ 回路の基本要素

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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