key

様々な鍵には、ソレに合った鍵穴が存在する。

どんなに美しい鍵にでも、どんなに頑丈な鍵にでも、どんなにそっくりな鍵でも開くことはできない。
ひとつの鍵にひとつの鍵穴なのだ。

ひとたび間違えた鍵を差し込めば、壊れてしまうかもしれない。
しかし、人間のもつ鍵と鍵穴は自在に変化する。そのため、互いのkeyが揃った瞬間にのみ信頼関係が構築され、扉が開くのだ。

しかし、信頼関係とは繊細なものであり、扱いにくい諸刃之剣。

一度、壊れたモノ達はまた繋ぎあわせることはできるのだろうか。

誤解が生じた鍵では、もう開くことはないのかもしれない。
扉を開いたその先にある感情とは、人生の善とも悪ともなりうるもの。そのような不確かなものに踊らされたくはない。

捨て去ろう.....

私は鍵を投げ棄て封印をする。

そして、
アンドロイドへと成り変わるのだ。